第9章 HEAVEN
今日は…俺達が独立宣言をする日。
ニノの言ったとおり、長い時間が掛かったけど…
スエードの協力があって、世界連合の力も借りて、どうにかこの日を迎えることができた。
今や日本は、差別大国として世界から爪弾きにされている。
障害者、性的マイノリティーへの差別は、先進国で最も忌み嫌われているものだ。
そして犯罪者への非人道的扱い…
これらを利用して、俺達は日本各地にあるB地区と連携して、独立国家になる道を選んだ。
正確に言えば、半独立国家…いや、国家とは言えないけど…
日本国がないと立ち行かないわけだし。
でも欧米諸国、そして日本経済の分断を狙ったアジア諸国に背中を押され、なんとかこの日を迎えることができた。
俺達はニノを象徴とする、一つの共同体になる。
そしてこれは、日本が再び統一国家になるための布石でもあった。
B地区は、日本国を外郭から監視する。
そして俺達を差別する機構を、叩き潰していこうという目的を持っている。
新しい国を、作るんだ。
俺達の手で…
俺達が思い描く未来に賛同してくれる人たちの手で…
A地区には協力者がたくさんできた。
皆、日本が滅びる前に…立ちあがったんだ。