第8章 ユメノドリーム
ご飯を食べたら、皆で風呂小屋に行って…
着ていたものを洗いながら、自分の身体も綺麗にした。
水道からは水しか出ない。
それを浴びながら、洗濯もしていく。
石鹸は智が排油から作ったものだから、身体も服も全部一緒に洗ってやった。
ドラム缶の風呂には順番に浸かった。
久しぶりに入る湯はとても気持ち良くて…
今度、4つドラム缶を並べて風呂を作るか、なんて途方もないことを言って…
騒いでたら翔が戻ってきたから、皆で翔を丸裸にして洗ってやった。
翔は顔を真っ赤にして抵抗したけど、俺達は敢えてそれを無視した。
だって、なんかかわいかったんだもん。
風呂から上がって洋服を干したら、もう夕方になってた。
校舎の前の広場に椅子を並べて、俺達はボケっとB地区を眺めた。
日が落ちきる前に、続々とB地区の連中がやってきて、夕飯にっていろいろ食材を差し入れてくれた。
口々に、早くクラブを再開させてくれよとか、カズの歌聞かせてくれよって言いながら帰っていった。
「鶏締めなくてよくなったな…」
智が呟くと、ニノは少しホッとした顔をした。
そのまま、星空が見えるまで俺達は外を眺めていた。
ぼけっとただ過ぎていく時間が、なんだか酷く貴重なものに思えた。