第8章 ユメノドリーム
「翔、寝てないでしょ?」
「ああ…でも…」
「だめっ…僕と一緒に寝よ?」
「えっ…ええっ!?」
「ほら、ここ…寝て?」
ニノは身体をずらすとベッドにスペースを作った。
「い、いや…俺は3日くらい寝ないでも平気だから…そういう訓練受けてるし…」
「だめだよおっ!」
「ニノ…翔はお仕事あるから…」
「雅紀までっ!翔が倒れたらどうするのっ」
「大丈夫だから…」
「でも!」
「ニノ…俺は大丈夫だから」
「翔…」
「じゃ、行ってくる」
翔は俺の顔を見ると、踵を返した。
「あ…翔っ」
「ん?」
「アースノールの調査…どうだったの…」
「ああ…」
「後で、聞かせて?」
「わかった。じゃあ、ニノ大人しく寝てるんだぞ?」
「うん…」
翔は俺の頬を手で包み込むと、ふっと笑って部屋を出ていった。
「雅紀…」
「ん…?」
ニノが俺に向かって腕を広げた。
「だっこ…」
「うん」
ベッドに上がってニノの横に寝転がると、ぎゅうっと抱きしめた。
「ふふ…雅紀、汗臭い」
「ニノだって汗臭い」
「うん…ご飯食べたら、洗いっこしようね」
にこにこしながら、俺の胸に顔を埋めた。
「しあわせだなぁ…」
ぽつりとつぶやいた声は、少し掠れていた。