第8章 ユメノドリーム
翔はじっとニノを見つめた。
「だから…B地区を独立させるのか…」
「うん…ごめんね?翔…」
ニノと翔は暫く見つめ合った。
「…いや…俺もその案には賛成だ」
「えっ…」
「俺は…政府の人間だけど、その前に…」
翔は俺に手を伸ばしてきた。
歩み寄ってその手を握ると、ぎゅっと握り返された。
そして静かにニノの手を握った。
「俺はお前たちの家族だから…」
「家族…」
「そうだよ…恋人で、家族でもいいだろ?」
「翔…」
「あ…ニノとはまだ恋人になってなかったな」
「えっ…」
いきなり翔はニノを抱きしめた。
それから熱烈なキスをした。
「んうっ!?」
「…これで、おまえも俺の恋人な?」
「…翔っ…」
ニノが真っ赤になりながら焦ってる。
その姿を見てたら、なんだか笑いがこみ上げてきた。
「まっ…雅紀っ、もうっ…」
「いいじゃん…潤にも智にもキスしただろ?」
「そ、そうだけどっ…びっくりするじゃんっ…」
あんまり焦る姿がかわいくて、顔がにやけてしまう。
「僕も…」
「え?」
「僕も、家族にしてくれるの…?」
とても透明な目をして、ニノは俺達を見上げた。