第8章 ユメノドリーム
穴蔵から出たら朝になっていた。
よく晴れた日だった。
俺の部屋に急いでニノを運ぶと、智と潤は通電させに玄関に走った。
シェルターから出た人々は、次々にニノの顔を見にきては帰っていく。
みんな、ニノに感謝してた。
なにかしようと発案をしたのは俺だったけど、計画の中心に常にいたのは、誰であろうニノだったのだから。
誰が決めたわけでもない。
一番年下で、一番小さいニノが俺達の中心だった。
自然にそうなっていったのだから、不思議だった。
ニノはそんなみんなの顔を微笑みながら見つめていた。
その目には柔らかい光が湛えられていた。
「…なにがあったんだ?」
翔がニノの脈を測りながら、不思議そうな顔をしてる。
「話すと長くなる」
ふふっとニノが笑った。
「おばけになったの…」
「え?」
「僕たち、やったよ…翔…」
ピピッと体温計が鳴った。
その時、潤と智が帰ってきた。
「通電終わった」
「ああ、ありがとう」
「翔、ニノどう?」
「ん、熱は下がってるな…脈がちょっと早いけど大丈夫だろ」
そう言ってニノの頭をポンポンと撫でた。
「お腹…減った」
「ああ、なんか作ってやるよ!」
智がベッドに歩み寄った。