• テキストサイズ

SHELTER【気象系BL小説】

第8章 ユメノドリーム


どれほど眠ったろう。
穴蔵の出入り口の外で物音がした気がした。
目を開けて身体を起こすと、智と潤がはしごの下でしゃがんでいた。

ふたりともじっと戸を見つめてる。
やがて静かに戸を叩く音がする。
決められた合図の数だけ音がした。

智が立ちあがって戸を開けると、そこから顔を出したのは翔だった。

「翔っ…」
「みんな、無事か!?」
「ああ…翔、良かった…」
「狩りの連中は捕まえた。もう安心していい」
「ほんと!?」
「よし…」
「…どうした?」
「ニノが…」

3人が一斉にこちらを見ると同時に、腕の中のニノが身じろいだ。
顔を見たら、目をさましていた。

「ニノ…」
「…あの人達、もう居ないの…?」
「え?狩りの連中?」
「うん…」
「翔の仲間が捕まえてくれたって」
「そっか…良かった」

微笑んで俺の胸に顔を埋めた。

「翔、ニノちょっと無理しちゃって…昨日から酷い熱なんだ」
「わかった…ここから出そう。雅紀の部屋に移そう」

他のシェルターのみんなにも声をかけて、俺達の穴蔵生活は終わった。
今回、どれほどの人が死んだのかわからないけど、俺達の棲んでいるところは、ほとんど被害がでていない。

こんな穏やかな気分で、狩りの終わりを迎えたことはなかった。

/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp