第8章 ユメノドリーム
急いで電信室に入って、通信を打った。
短い文章で簡潔に打ち込んで暫く待ってみたが、翔からの返信はなかった。
とりあえず、向こうで受信はできてるはずだから、すぐに席を立った。
玄関まで駆け戻ると、潤は電気をまた落とした。
蛍光灯が灯って明るかったのが、一瞬で夕闇に包まれた。
オレンジ色の校内を潤と手を繋いでゆっくりと歩いた。
「風呂入りてえな…」
「あのじいさん達帰ったら、みんなで入ろうね」
「ああ…」
「翔、早く来てくれるといいね」
「まあな…他の任務やってたら、すぐには無理だろうがな…」
「そうだね…でも、早く会いたいね」
「ああ…会いたいな」
「会って…話したいことがたくさんある」
「驚くか、怒られるかどっちかだな」
「うん…多分、怒られると思うけど…」
「ニノがいい出したって言ったら、怒らないだろ」
「あっ、ずるい」
穴蔵に戻ったら、智がベッドに張り付いてた。
「どうした?智」
「ニノ…熱がある」
「えっ…」
「さっきから魘されてて…」
「嘘…どうしよう…」
ベッドに駆け寄ると、ニノは大量の汗をかいて眠っていた。
「さっきまで、なんともなかったのに…」
潤はタオルを持ってきて、汗を拭き始めた。
「翔、早く来ねえかな…」