第8章 ユメノドリーム
シュウを見送って、改めて部屋の中を見渡した。
ニノはまだ夢の中だ。
慣れないことをやって疲れたんだろう。
ニノにタオルケットを肩まで掛けて、部屋を片付けた。
昨日のヅラとかが脱ぎ散らかしたままになってた。
「智と潤、どこ行ったんだろ?」
時計を見たら、夕方近くになってた。
「腹減ったな…」
缶詰を漁っていたら、潤と智が戻ってきた。
「あ、雅紀起きてた?」
「どこ行ってたんだよ」
「翔にね、いつもの木のとこにメッセージ付けてきた」
「あっ…翔に連絡してないや…」
「あー…そうか。じゃあ、一時的に通電させっか…」
潤と一緒に地上に出て玄関まで行くと、配電盤を開けて通電させた。
「じゃあ俺、打ってくる」
「うん。俺、ここで待ってるわ」
そう言うとタバコを取り出してしゃがみこんだ。
「一口ちょうだい」
「ああ」
潤はタバコに火を付けて深く吸い込むと、いきなり俺を抱き寄せた。
「んんっ!?」
唇を塞がれたと思ったら、たばこの芳香が口の中に流れ込んできた。
「旨い?」
「も…びっくりした…バカ…」
潤の艶っぽい唇がまた近づいてきて、深く俺の口を貪った。
「潤…」
「だめだ。ヤッちゃいけないって思うと、ヤリたくなるわ…あのじいさんたちと一緒だな、俺」
「潤は…違うから…俺、潤が間違ったことするのみたことないもん」
そう言ったら、潤はてへっと笑って下を向いた。