第8章 ユメノドリーム
起きたら、智と潤は居なかった。
ニノはまだ俺の腕の中で眠ってる。
すやすやと天使みたいな寝顔…
ぎゅっと抱きしめてると、とても幸せな気持ちになった。
暫くうとうとしながらそうしてると、出入り口の戸をトントンと叩く音がした。
そっとベッドから抜け出して開けると、シュウが居た。
「どうした?」
「ああ、キャンプの偵察行ってきた」
「えっ!?一人で?」
「いや、俺のシェルターの連中と協力して行ってきたよ」
「シュウ…」
シュウは照れくさそうに笑った。
「聞いてくれよ…あのじいさんたち、ビビって起きれないらしくてさ…」
「ええっ!?」
「若い奴いたろ?あいつだけがテントの外出てきて、忙しく働いてたよ」
「引き上げないのかよ…」
「無理じゃない?じいさん4人抱えて…助けを呼ぶわけにもいかないしね?」
そういうとシュウはいたずらっぽく笑った。
「まあまた様子は偵察に行くけどさ。あの調子じゃ、狩りは無理だろうね…」
「ぶっ…夜はもっと無理だよね?」
「だな」
ひとしきり二人で笑ったら、シュウは立ちあがった。
「とりあえず、あいつらが撤収するまでは大人しくしといてやろうぜ」
そういうとはしごを軽やかに登っていった。