第8章 ユメノドリーム
じいさんたちは、死に体で地面を這いつくばって逃げようとしている。
もはやテントどころではなくて、バラバラになってる。
ニノがテントから出てきて、シュウが俺達に合図した。
そろそろ引き上げ時だ。
木の陰に姿を隠して、白いシーツで作った服を脱いだ。
ヅラも邪魔だから取ってしまう。
それを手に持って、集合場所を目指した。
4人集まったところで、シュウが鳥笛を吹いた。
離れたところにいる人たちへの合図だ。
そろそろと元いた場所に戻ると、全員無事だった。
潤が親指を立ててくれた。
そのまま学校まで静かに戻って、俺達は校舎に入った。
そこで一斉に静かに俺達は喜びを爆発させた。
こんな小学生の肝試しレベルのことだけど、今までなにも行動できなかった俺達には、大進歩だった。
それにあのじいさん達の狼狽えよう…
後ろ暗いことをやっているから、見破れなかったんだ。
悪いことをしているという自覚があるから、目が曇っているんだ…
ひとしきり喜びを分かち合った後、打ち上げは後日しようと潤が提案して、その場はお開きになった。
それぞれのシェルターに引き上げて行った。
俺達も4人で穴蔵に飛び込んだ。
「やったーーーー!」
智が雄叫びを上げた。