第8章 ユメノドリーム
「お…おい、武器を…」
「あ、ああ…」
ということは、じいさんたちは今、丸腰か。
それにガイド役も居ない。
思い切って俺はじいさんたちの前に姿を表した。
「ああっ…でっ…出たああっ…」
「うわああっ…ど、どけっ…」
「やめろおっ…」
じいさんたちは、お友達を放り出してテントの中に逃げようとする。
テントからの灯りしかないから、俺の姿はぼんやりとしか見えてないはずだ。
ユラユラ揺れてから、タイミングを見て木の陰に戻る。
「うわああっ…きっ…消えたぞっ…」
足がもつれてじいさんたちは上手く走れていない。
そこに智がテントの向こうから、また出てきた。
「ああああああっ…こっちにも出たあっ…」
阿鼻叫喚とはこのことかというくらいの取り乱しようが、滑稽だった。
4人、揃いの迷彩のツナギを着ているが、もはや団子になって、地べたを這っている。
芋虫みたいだった。
ふと見ると、小さなテントの傍にシュウとニノが立ってた。
シュウは周りを見渡して、ニノをテントに入れた。
ニノは白いシーツを脱いでいて、目立たない。
武器を盗むつもりだ。
それならばと、俺はもう一度姿を表した。
「たーすーけーてぇー…」
セリフも忘れずにね。