第8章 ユメノドリーム
夜目の利くものを先頭に、学校を出る。
今日は夜の狩りは行われているんだろうか。
キャンプについてみないとわからなかった。
総勢20名で移動する。
今、狩りの餌食になるかもしれない。
頭にはこんな恐れが有るけど、でもそれよりも自分たちで行動を起こしているという高揚感が勝っていた。
虐げられた人生だったが、ここから何かを拓いていけるんじゃないか…
いや、拓いていくのだと。
森の中の道なき道を進んでいく。
銃声が聴こえてこないから、今日は狩りをせずにキャンプにいるんだろうか。
静かな夜だった。
空には半月が俺達を見下ろしていた。
ぼんやりと光の輪が見える。
防御壁に近づくに連れて、緊張感が高まる。
シュウが俺達を止めて、一人で偵察に走った。
戻ってくると親指を立てた。
キャンプにいる。
異様な興奮が俺達を包んだ。
簡単に準備を済ませて、俺達はバラバラに行動を始めた。
選抜隊は一塊になってテントに近づいた。
テントの中から下卑た馬鹿笑いが聴こえる。
酒盛りでもしているんだろう。
女でも抱いておとなしくしていればいいものを…
なぜ人殺しなんかしたがるんだ…
まともな人間には、思えなかった。