第8章 ユメノドリーム
それからはシェルターにいる元気な人たちを巻き込んで、おばけ企画に没頭した。
明るいうちにと、シュウを偵察隊のリーダーにしてニノと智が学校を出発していった時は、内心どきどきしていたけど…
無事に戻ってきてくれた時は、なんで今まで俺達はなにもしなかったんだろうと思ったくらい、あっさりとしていた。
今なら、なんだってできる。
やれることを、やってやろう。
全員がそう思ったんじゃないかな…
きっと、時が来たんだ。
雌伏の時は終わったんだ。
「あのねー、おじいさんみたいな人たちが4人と一人は若い人だった。多分、ガイド役じゃないかな」
「殴ったら死にそうな感じだった」
「おい…あんま舐めて掛かってたらだめだろう」
「いや、まじでそんなかんじ。ほんと、ろくな遊びしねえ老害だったわ」
「シュウまで…」
「案外、敵がおばけに見えてたのは、俺達の方かもな…」
潤の一言に納得してしまった。
「…敵はここ、この防御壁の際にキャンプ作ってる」
シュウが、B地区の簡単な地図にマジックで印をつける。
「武器は?」
「そうだなあ…あのじじい連中だったら、持ってても使いこなせるかな…油断はできないけど」
「逆に武器、盗んじゃえばいいよ」
またしてもケロッとニノが言い放った。