第8章 ユメノドリーム
いつも狩りの間は、重苦しい空気の中過ごす。
だけど今は…ふんわり温かい。
俺達は束の間の休息の様に、この時間を楽しんでる。
ニノ…おまえのお陰だよ…
「ねえ、提案なんだけどさ…」
「ん?」
「狩りの連中に一泡吹かせてやろうよ」
「ええっ…どうやって?」
智が身を乗り出してきた。
「危害を加えたら後々どうなるかわからないから…なんか、いたずらしてやんない?」
「ちょ、そんな危ないこと…」
「だから危なくない範囲でね…二度とここに踏み込もうと思わないようななにか、できないかな…」
「雅紀、おまえ…」
潤がニノを抱えたまま呆れた顔をした。
「俺達も、なんかしなきゃ…大人なんだから」
ぶふぉっとまたニノが吹き出した。
それから、何ができるか4人で話し合った。
B地区の人たちで力を合わせたら、なにかできないか…
「おばけは?」
智の言った一言で、俺達は俄然乗り気になった。
「いいねえ…心理的に脅すってわけだ」
潤が悪い顔をして笑った。
「おばけが出るって噂になれば、お化け屋敷好きな人以外は来なくなるんじゃない?」
「ふふ…じゃあよっぽどこわいおばけ用意しないとね?」