第8章 ユメノドリーム
ニノ…小さなニノ…
もうあのニノは居ないけど…
俺も、変わる。
そうあの時、俺は力をもらったんだ。
あんな小さなニノに…
だから―――
「俺も、変わらなきゃと思ったんだ」
「マサキ…」
「死にたくないからね」
そう言って笑ったら、シュウは下を向いた。
「わかった…」
それだけ言うと、下の部屋に戻っていった。
シュウだって、ここの生活が気に入ってたりするんだと思う。
じゃなきゃ、長い間、いくら仕事だとは言え、こんなところに居られるわけないんだから。
ニノにくっついて、他の部屋の怪我人の状態を確認して、元の穴蔵に戻った。
潤と智は泥のように眠っていた。
でもしっかりと抱き合ってる。
それを覗き込んで、ニノはふふっと笑った。
「雅紀、ここを天国にしようね」
ああ…ニノ…おまえは…
思わず後ろからぎゅっと抱きしめて、一つ息を吐いた。
「ああ…頑張るよ、俺」
「うん…」
嬉しそうな声が聞こえた。
それから、休むことなくニノと俺は動いた。
各シェルターには食料も水も置いてあるから、そこは心配ない。
後は、狩りの連中がここを見つけないように祈るしかない。
でも、それだけでいいのかな…