第8章 ユメノドリーム
ニノが身を乗り出した。
「ねえ、シュウ。外と連絡は取れないの?」
「ああ…ここに来る前に通信を打ったが…反応がない」
「え?」
「多分、スクランブルを掛けられてるか、他で傍受されてるか…」
「なんで?」
「この狩りは、政府の要人が絡んでるんじゃないかな…いつもそうだから…」
「…クサレゲドーだね」
「へっ?」
「あれ?違ったっけ?腐ってる上に外道だって意味じゃないの?」
「ああ…うん…」
シュウの目がテンになってる。
そうだよな…まさか、ホムンクルスの赤ん坊がこんな口聞くなんて、思わないよなあ…
「じゃあ、今、現在は外にこの狩りのことは伝わってないんだね?」
「ああ…ここからじゃどうしようもないな…」
「ふうん…」
ニノは何かを考え込む顔になってる。
「シュウ」
「うん?」
「武器、あるでしょ?出して」
「えっ…」
「持ってるでしょ?スエードってとこの人なら…違う?」
「いや…違わないけど…訓練受けてないと使えないよ?」
「ああ!そっか…そうだよね。うっかりしてた…」
ふふっと笑うと、天井を見た。
窓ガラスから、カーテン越しに薄い陽の光が入ってきてる。
ニノの白い頬をきらきらと照らした。