第8章 ユメノドリーム
玄関では人だかりができていた。
何人か負傷した者がいるようだ。
それを取り囲むようにみんな立ってる。
ニノがそこに割って入っていく。
男たちでニノの姿が見えなくなる頃、俺はやっと追いついた。
「色々持ってきた、使って」
「雅紀、こっち!消毒薬!」
潤の声に荷物から消毒薬の瓶を出して放り投げる。
そこからは戦場のような時間が過ぎた。
ニノが怪我人の間を歩きながら、的確な指示を出していく。
重傷の者も軽い処置をして、全て建物の中に運び込んだ。
そのまますぐに玄関を閉めて、全ていくつかある地下のシェルターに収容した。
全員は連れてくることは難しいけど…
俺達と付き合いのある連中は、なんとか全員収容することができた。
昼間は狩りが激化する。
ただひたすら息をつめているしかない。
だってあいつら武器を持ってる。
丸腰の俺達にはとてもじゃないけど、太刀打ちできない。
くたくたになりながら、さっきの穴蔵に入ると力が抜けた。
潤や智も穴蔵に入ってきた。
ニノは、俺よりも先に穴蔵に帰ってきて、着替えてる。
血まみれになってしまったから…
「おい…雅紀、どういうことだよ」
智の声が硬い。