第7章 Fuse
「ま、さき…?」
「ん…?」
唇を離してくれない。
また雅紀の唇で、口を塞がれて言葉が継げなかった。
息が上がる…
少し開いた唇の隙間から、雅紀の舌が入ってきた。
「あ…ねえ…」
「なに?」
雅紀の息が荒い。
興奮、してるんだ…
「潤や智…翔は…?」
「翔はA地区に帰った。潤や智はB地区のみんなに狩りが始まったことを知らせに行ってる…」
答えてる間も、雅紀の唇は俺の首筋を這って行く。
「えっ…外に居るの!?」
「そうだよ…」
「大丈夫なの!?だって、そいつら銃とか持ってるんじゃないの?」
「…わからない…でも、やらなきゃいけないんだ…みんなを守るために…俺達だって、そうやって守ってくれた人たちが居たから、命を永らえることができたんだ…」
「雅紀…」
「ここではね…そうやって助け合っていかないと生きていけない。A地区は…人間関係なんて希薄でも生きていけるけどね…ここでは…B地区では、それじゃ生きていけないから」
「…そっか…」
また雅紀の唇が、俺の首筋に吸い付いた。
「あ…雅紀…」
「…上書き、してあげる…」
「え?」
「その体に刻まれた記憶、俺が…」
「なに…?なんのこと…?」
雅紀の手が、俺の服を掴んだ。