第7章 Fuse
「ん…人間狩りだよ」
「え?」
「B地区の人間は…いや、あの人達にとっては俺達は人間だとは思われてないんだろうね…俺達を獲物に見立てて狩りをしてるんだ。A地区の人間がね…」
「狩り…?え…?どういう…」
「さあ…どんな神経してんだろうね…俺にはわからないよ」
狩りって…
普通は動物をとるんだよね?
人間を狩るの…?
なんで…そんなこと…
「B地区の人間を殺しても、A地区では罪にならないんだ…まあ、ここに入ってきてることは不法なことだけどね」
「なんで…そんなことするの?」
「さあ…」
じゅんが言ってた。
人間はわけのわからない生き物だって。
してはいけないことをすると興奮する生き物だって。
これが…そういうことなのかな…
なんで…同じ人間同士で殺し合いをするの…?
僕はもしも僕と同じホムンクルスがいたら…
そう夢見たことが何度もあった。
絶対に仲良くするのに…
絶対に守るのにって…
なのに人間って…なんなんだろう…
「あいつらの面白いと思うこと…正しいと思うことなんて、ここにいる人間にはちっともわからないんだよ」
まさきは吐き捨てるように言った。
「まさき…」
「あ、ごめん。別にニノに怒ってるわけじゃないからね…?」