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SHELTER【気象系BL小説】

第6章 YOU


「ちょっと…長野博士、まさか…!」
「ああ…そのまさかだよ」

時が止まったように、座敷は音がなくなった。

「死んだ人間の脳を移植した」
「そんなっ…あり得ないっ…」
「ああ…だが、アースノールは可能なんだ。いや…アースノールの上層部は知らない。うちの…長野チームだけが可能なんだ」
「どういうことですか…」
「うちには…ニノの他にも、ホムンクルスがいる」
「え…?」

メガネを中指で押し上げると、長野博士はまっすぐに俺を見た。

「だが、どれも脳だけが育たなかった。だから…彼らを使った脳移植の実験を我々は極秘裏に…」
「それは…倫理に反する…」
「だから言ったろう…あいつらはラットだ。人間じゃない」
「じゃあ、ニノに移植した脳の主は!?それは人間だったんだろう!?」
「…ふん…自殺するような人間の身体を使って、なにが悪い。人間は死んだらただの標本だ」

狂ってる…

「むしろ人類科学の礎になれたんだ、感謝してほしいところだね」
「博士…それは…」
「この脳移植の成功は俺達にはでかかった。これからこちらの研究チームも充実させる予定だ。櫻井さん、よければこのチームの主任に抜擢しよう。報酬は、今の何倍も出せるはずだ…それに…」
「長野博士!」

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