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SHELTER【気象系BL小説】

第6章 YOU


「ちょっと、まずいことがあって…外の世界のことを学習させすぎましてね。余計な知恵がついてしまったんですよ」
「余計な知恵?」
「自分が人間だって勘違いしてるんですよ。あいつは」

急に長野博士の目から表情が消えた。
能面のような表情をして、茶托を手でいじっている。

「だって…ニノは生まれはどうであれ、人間じゃないんですか…?それに今、思春期でしょう?博士の思い通りにならないことなんて…」
「あいつは…!」

ガンっと手を机に叩きつけた。

「あいつは人形だ!俺が作った人形なんだ!生意気なことぬかしやがって…!」
「長野博士…」

はっと俺を見た長野博士は、髪を直した。
相当、追い込まれているように見えた。
俺なんかの前で、思わず本音を吐き出してしまうほど…

「…失礼した…」
「いえ…」
「とにかく、ニノはちょっとごきげんを悪くしてしまいましてね…家出してしまったんです」
「行き先はわかってるんですか?」
「ええ…」
「どこに?」

博士は諦めたようにため息をつくと、また俺の顔を小狡い目で見た。

「B地区です」
「えっ…」
「いくらアースノールが力を持っていても、あの地区に関しては、ね…踏み込めないんですよ…」

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