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SHELTER【気象系BL小説】

第5章 深遠の記憶


校庭をゆっくりと手を繋ぎながら歩いた。
本の中でしか知らなかったA地区の話、それからB地区の話をたくさん聞いた。
ラボの中では、誰も教えてくれなかった事ばかりだった。

「じゃあ、しょうはじゅんたちのこと調べに来たの?」
「そう…スエードの調査のためにB地区に来たんだ。最初はね」
「今は違うの?」
「今は…俺達の恋人になったから…」
「そうなの?」
「…本当はね。男と女が恋人同士になるんだけど…」

映像で見たおとうさんとおかあさんは男と女だった。
動物もオスとメスが番になる。
じゃあ…男同士ですきって…

「快楽を追求するの?」
「え?」
「サーティーンが教えてくれた。男同士が性行為をするのは快楽を追求するときだって」
「ニノ、それは…」
「繁殖できない性行為は、快楽のためなんでしょう?」
「違うよ…まあ、中にはそういうヤツもいるだろうけど…」

ぎゅっと握っていた手に力が入った。

「男同士でも好きになるし、愛し合えるんだ…だから、快楽の追求ばかりじゃない」
「じゃあ…おじさんは僕のこと愛していたの…?」

僕を”強姦”したおじさんは、僕のこと好きだったの…?

「それは…ちがうな…」

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