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SHELTER【気象系BL小説】

第5章 深遠の記憶


じゅんが戻ってきて食事をした。
最初はみんな何も喋らなかったけど、さとしがたくさんおしゃべりしてくれて、だんだん皆笑うようになった。

食べ終わって、まさきとさとしが片付けてると、じゅんが僕の手を握った。

「散歩しようか…」

頷くとじゅんは僕の手を引いて歩き出した。

「ちょっとニノとランデブーしてくるわ」
「どこに逃げるんだよ」
「いい加減帰ってきなよ」

まさきとさとしは笑いながらこちらを見ていた。

「いいだろ。羨ましいだろ」

ふふんと笑いながらじゅんは教室の戸を閉めた。

「じゅん…」
「ん?ふふ…ちょっと校庭歩くだけだよ」

じゅんは歩きながら、僕の中に居るカズの話をしてくれた。
それはドクターがA地区で調べてきたことと、カズの断片的な記憶の話だった。

「そっか…僕が死んだから…カズって人の脳を…」
「そうだ。だから記憶がない部分が多いだろう?」
「うん。気がついたら違う場所にいることが多い」
「その時はカズが表に出ているんだ」
「そうなんだね…」

僕とカズは…
死にたがっていた。

なんでこんなことになったんだろう…
なんで僕もカズも死ねないんだろう…

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