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SHELTER【気象系BL小説】

第5章 深遠の記憶


まさきは僕の顔をみて、ちょっと驚いた顔をしてから、悲しい顔をした。

「どうしたの?」
「うん…ここに居る間はなんでも教えてあげる…」

そういうと僕の頭をなでてくれた。
それも気持ちよかった。
頭をなでられることなんてなかったから。

まさきの部屋に行って、服を着替えた。
洋服は大きくて、袖とズボンの裾を僕は何回か折り曲げた。

「よし、それで誰も笑わないよ」
「ん。でもかわいいっていう意味なら、僕だいじょうぶ…」
「そっか。じゃあ智にそう言ってあげてね?」
「え?」
「智はきっと、ニノが怒ったと思って落ち込んでるから」
「うん!わかったよ!ちゃんと怒ってないって言う!」
「よし、じゃあ戻ろうか」

また、まさきは手を繋いでくれた。
温かい…
さとしの手も、まさきの手も温かい…

人間って、温かいんだな…

「まさき…」
「ん?」
「僕の手はあたたかい?」
「…あたたかいよ」
「そっか…」

僕、人間になれるのかな…

もう、博士のところには戻りたくない。
戻ったら、あんなこと…

「え…?」
「どうしたの?ニノ?」
「あんなこと…?」

その時、急激に頭が痛くなった。

「う…」
「どうしたの!?ニノ!?」


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