• テキストサイズ

SHELTER【気象系BL小説】

第5章 深遠の記憶


とにかくなにかからかわれたんだと思って僕は飛び出した。

「ひどいよ…さとし…」

走っていたら、後ろからまさきが追いかけてきた。

「ニノ!待って…」

僕の腕を掴むと、ごめんと謝る。

「別にいいよ…僕のこと笑ってたんでしょ…」
「ち、違うんだって…ニノがねあんまりにもこれが似合うからさ…」
「でも、普通の人が着るものじゃないんでしょ!?」
「かわいいの!」
「え?」
「みんなニノがかわいいから笑ってたの。バカにしてたわけじゃないんだよ…?」
「そうなの…?僕わかんない…」

掴んだ腕を手繰り寄せられて、僕はまさきの腕に包まれた。

「そうなの。だからそんなに怒らないで?」
「…怒ってなんか…」

大体、怒るってなんなの…?
僕にはよくわからない…

「怒ってるでしょ?教室飛び出したり、俺の顔見なかったり…」
「それが怒るってことなの…?」

まさきを見上げたら、ひとつ頷いた。

「それも怒ることの一種だよ」

ひとつ、覚えた。
怒るって何種類もあるんだ…

「さ、俺の洋服貸してあげるから、おいで」

まさきが腕をほどいて僕の手を握った。
素直に僕も握り返した。

「ありがとう、まさき…また、教えてね?」

/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp