第5章 深遠の記憶
「ぶーっ…」
部屋に入った途端、じゅんに笑われた。
「なあに…?」
「いや…うぐふぅ…」
「なんなの!?」
隣にいるドクターも下を向いてしまった。
「どうしたの!?ねえ…!」
バイクを見に行って、さっきご飯を食べた教室に戻ったら、突然笑われた。
「ニノ…」
まさきがグラスを持ったまま立ちすくんでる。
「まさき…僕、笑われてるの?」
「いや…その…」
困ったような顔をしていたまさきが、突然手で顔を覆った。
「ご、ごめん…」
その声は震えていた。
「なんでぇ…?」
「い…いや…だって…」
じゅんがさとしの方に歩いてきた。
「智!てめえ!」
「だって洗濯してなくて、これしかなかったんだもん!」
「だからってこんなの着せるなよ!」
「しょうがないだろ!」
これ…?
このお洋服がだめなの?
困ってドクターの顔をみたら、咳払いを一つして僕の方に歩いてきた。
「ニノ…雅紀に服を借りなさい」
「なんで…?」
「いや…ニノが嫌じゃないならいいんだけどな…」
「これはなんの服なの?」
「それは…」
暫く後、僕は教室を飛び出した。
ぴかちゅうってなんだよーーーーー!!!