• テキストサイズ

SHELTER【気象系BL小説】

第1章 Area B


二重のくりくりとした瞳が、じっと傷を見ている。
抜けるように白い肌に健康的な赤い唇。
ちょっと拗ねたように尖らせた口元が子供のようだ。
ちゃんと手入れされた眉毛は跳ね上がってて、何故かシベリアンハスキーを思い出した。

目にかかる前髪を除けながら、傷をみた翔はにっこり笑って潤を見上げた。

「処置が良かったみたい。大丈夫だよ」

潤は嬉しそうに頷くと、翔にガーゼを手渡した。

「ニノ、傷は綺麗だから大丈夫だよ。化膿しないように、ちゃんとガーゼにこれを擦り込んで貼り付けておくんだよ?」

そう言って何かの薬のチューブを出した。

「はい…ありがとう…」

翔は俺の手を取ると、薬を塗ったガーゼを貼り付けて包帯を巻いてくれた。

「頭に傷はあるの?」

翔はまた潤を見上げた。

「いや…目立った傷はないよ。ヘルメット被ってたし」
「そうか…」

包帯を巻き終わると、俺の頭を引き寄せた。

「ちょっと調べさせてもらうね?」

翔の胸に抱かれるように身体を前に倒された。
いい匂いがする。
あれ…この香水…潤と同じだ。

翔は俺の髪をかき分けながら、頭全体を調べた。

「うん…ないね…ちょっとここが赤くなってるな…」

/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp