黒子のバスケ:赤司征十郎 R18 キミはオレのもの
第9章 小さな違和感
アパートの階段を上った所で声をかけられた。
お隣に住んでる人だ。
『こんにちは』
「こんにちは」
挨拶だけしてそのままドアを開けようとしたとき…
『どうしてまだその男と一緒にいるんだ…?』
「え……?」
赤「絢!」
目の前に振りかざされたのは包丁だろうか。
真っすぐ私に向かってくる。
殺される。
そう思った。
『くそっ…離せよぉおお…!』
赤「もしもし、あぁオレだ。この間の件で…そうだ。住所は…」
「あ、赤司くん…?」
恐る恐る目を開けると赤司くんがお隣の男の人を取り押さえている。
しかも片手で。
もう片方の手はどこかに電話をしているようだ。
しばらくすると聞こえてきたサイレンの音。
警察?赤司くんが電話してくれたのだろうか。
階段を上がってきた警察官に手錠をかけられる男を私はただ、茫然と眺めていた。
パトカーに乗せられながら大声で叫ぶ男の人。
『なんでだよぉ…っ…毎日好きだって言ったじゃないか…君と僕は運命の相手なのにいつまでも間違った相手といるからっ…だから死んで一緒になるんだっ…邪魔しないでくれよぉ…!』
この人は何を言っているんだろう。
嫌な汗が背中を伝う。
赤「絢…もうすべて終わったんだ…だから泣かないで…」
「え…?」
気がつくと私の目からは涙が出ていた。
それが恐怖の涙なのか安堵の涙なのか…わからなかった。