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黒子のバスケ:赤司征十郎 R18 キミはオレのもの

第14章 大切なキミ




「ゴホッ……ああ…数日前の自分を呪いたい…」


ゆったりとした休日の午後。
外では新年にむけた準備のために買い物をする人やもうすぐ仕事納めの社会人が一生懸命働いている頃だろう。


そんな中、私は……風邪をこじらせていた。







赤「絢、そんな恰好をしていると風邪引くよ。」
「大丈夫大丈夫! 最近あったかいし平気だよ~」
赤「後で痛い目を見ても知らないよ?」

そんな会話をしたのはつい先日。
暖かい天候に油断し、征十郎風に言うなら自己管理を怠ってしまった。



「…がっつり痛い目に合ってるし…私のバカ…
はぁ…風邪の時に一人って心細いなぁ…征十郎いつ頃帰ってくるんだろう…」


征十郎はお家の集まりがあるらしく、数日前から実家に帰っている。
大きなお家の人は大変だなぁ…
…征十郎のお家ってどれくらいお金持ちなんだろ…

彼は普段、自分のことについてあまり話したがらない。
だから私もわざわざ自分から聞くことはなかった。
それでも、生活の端々に現れる赤司征十郎という人の育ちの良さに驚かされることは少なくなかった。


「新年はずっと実家で過ごすのかな…一緒に初詣行きたかったな…」

正直に言えば、年末を2人で過ごせないのも寂しい。
だからと言って彼に実家で過ごすなとは言えない。
『赤司』という名をもって生まれた彼の重圧や責任は、きっと簡単には推し量れないものだと思う。

「まぁ風邪引いてるしどっちみち無理か…」

征十郎に迷惑かけたくないし、今年のお正月はおとなしく過ごそう…
そういう意味では征十郎がここにいなくて良かった。

優しい彼のことだから、私が風邪だと分かれば甲斐甲斐しく世話をやいてくれたことだろう。
けれどスポーツマンである彼に風邪をうつしたくない。
これはバスケ部マネージャーとしての一番の気持ちだった。
万全な状態で征十郎には戦ってほしい。

溜息を吐きながら私は浅い眠りについた。





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