第1章 カゲロウデイズ
あれ、そう言えば今何時だろ。
スマホで時間を確認して見れば、12時半になる頃だった。
てかスマホあっつい。
『昼、どうする?
今12時半くらいだけど』
スバル「あ?
・・・あー、もう昼か。
ここの公園、チャイムとか鳴らねえから時間解らなかったな・・・」
『いつもの店でワンコインランチにする?
まだコンビニよりは近いし』
スバル「・・・そうだな。
・・・・・・にしても、マジで暑いな・・・」
よいしょ、と猫を落っことさないように立ち上がる。
スバルも立ち上がるけど、温度が下がりそうもない日差しに舌打ちをひとつこぼした。
『私、夏は嫌いだなー』
スバル「これだから夏は嫌いなんだよ・・・」
重なった言葉。
猫をぽんぽん撫でながら、なんとなくふてぶてしく呟いた。
タイミングが合ってなおかつ内容も同じ。
そんなミラクルに目を見合わせた。
『お、シンクロした。
気が合うねー、さすが幼馴染み』
スバル「幼馴染み関係あるか・・・?」
『長年一緒に居るから、思考が似てきてるんだよ。きっと』
スバル「・・・はっ、たまたまだろ」
『ふふ、そう言う事にしとこっか。
・・・あ。店行く前に、自販機でなんか買ってかない?』
スバル「あー・・・そうすっか」
自販機でお互いにジュースを買ったけど、すぐに空っぽになる。
お互いの飲みっぷりを見て、どちらからともなく笑った。
子供達がはしゃげるような遊具は無い、至ってシンプルな公園。
ブランコ。
鉄棒。
すべり台。
ジャングルジム。
砂場。
いつもと何ら変わり映えしない公園から出て、大通りを歩く。
いつもの店は、横断歩道を渡ればすぐ。
日曜日の日中。
色んな人達が私達が渡ろうとしてる横断歩道を行き交う。