第1章 カゲロウデイズ
あっつい。
季節は夏。
8月15日。
『・・・あーっづー・・・』
スバル「・・・うっせえ、いちいち言うな・・・・・・」
『だって暑いんだもん・・・』
スバル「・・・・・・つーか、どっか屋根の下で良かったんじゃねーのかよ。
なんでわざわざ公園に来てんだよ俺ら・・・」
『しょーがないでしょ、私らの家のエアコンがタイミングよく故障しちゃってるんだし。
コンビニ行くにしても30分かけて歩いて行けると思う?』
スバル「・・・無理、だな」
『でしょー?
熱中症とか日射病になるよ。
まだかろうじて風吹いてるし、外に居た方がマシだよ』
スバル「・・・あー・・・その風も生温いけどな」
『それ言わないの』
学生の私達は、夏休み真っ盛り。
宿題はもう終わらせてる。
何にもする事無いから、公園の木の影で幼馴染みのスバルと喋ってる。
膝の上には野良の黒猫。私の家もスバルの家もペットはNGだけど、二人して動物に好かれやすい。
ミンミンって鳴き続ける蝉の声をBGMにしながら、他愛もない会話を続けた。
スバル「くっそ、なんでうちの学校プール無ぇんだよ・・・」
『維持費とかかさばるからねー・・・。
てか、スバルってプール行っても泳がないでしょ』
スバル「こんだけ暑けりゃさすがの俺でも入るっつーの」
『えー、うっそだあ。
絶対ビーパラん中に引きこもるよ。
今日だって私が呼び出さなかったら今頃ヒッキーだったでしょ』
スバル「ヒッキー言うな・・・。
そう言うお前こそ泳がねえだろ。
プールに浮き輪浮かべてそれに乗ってるだろ、どうせ」
『ちっちっち、解ってないなあスバルは。
あれがまたいいんだよー?』
スバル「ただ単にカナヅチなだけだろ」
『なーにをう!
バタ足くらいは出来るからね!』
スバル「っだからうるせえっつってんだろ・・・!」
あー言えばこー言う。
こー言えばあー言う。
ただ駄弁ってるだけ。