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【R18】角砂糖を、もうひとつ【アル戦/ダリューン】

第1章 1


「あ、ん、ひぅ……っ」

「名前、名前……」

あぐあぐと甘噛みを繰り返され、時に口を大きく開け舌全体で愛撫をされて。
これでは、まるで。

「食べちゃ、だめぇ……っ」

獰猛な獣に食べられている錯覚すら起こしそうなほど、その愛撫は激しい。
合間に紡がれる私の名に、熱い吐息が混ざっていて、それすら私の興奮材料となる。

私を膝に乗せたままダリューン様の身体が前に傾き、自然と私は寝台に背を着ける形となった。
ダリューン様は私の上に落ちてこず、すぐ横にその大きな身体を横たわらせる。

私もすぐに横を向かされ、寝台に寝転んだままダリューン様と向き合えば、その逞しい腕が私をぎゅっと抱き寄せた。

とりあえず、今日のところは満足したらしい。

どうして単なる侍女の私をダリューン様は気にかけてくださるのか。
そんなことはわからないけれど、ダリューン様は決して少なくはない頻度で私とこうして触れ合う機会をもうけるのだ。

一通り触れあって、満足すると私を抱いたままお眠りになる。
ただ、所謂男女の仲、と呼べるまでの行為を私たちはしたことがない。

ダリューン様は私を最後まで抱くことはせず、その意図までは分からずにいる。
だが、ダリューン様ほどの人ともなれば女一人を孕ませてしまうと大変なことなのかもしれない。

侍女たる私はただただ、ダリューン様の意のままに、身を捧げるしかできないのである。

一通り喘がされた疲れからか、私の瞼は開いていることが困難になり、しょぼりしょぼりと閉じかけてしまう。

そんな私に気づいたのか、ダリューン様の声が頭上から降ってきた。

「眠いのか?」

「申し訳、ございません……」

ああ、声に覇気がなく、言葉が尻窄みになってしまう。
主より先に眠ってしまうなど。
あっては、ならないのに。

もぞりとダリューン様が身体をよじる感覚がして、間を置いてその唇が私の瞼へと優しく降ってくる。

「よい。……もう眠れ」

ああ、どうして。

どうして、そのような優しい声色をなさるのですか。

ダリューン様の一言で意識を手放した私は、その後に続けられた言葉は聞き取ることができなかった。








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