第1章 1

「やあっ、あ、あっ」

そのままくるりと円を描くように舐められ、吸い付いた所をちろちろと舌先で刺激される。

腰辺りから背中へ一直線にざわつく感覚が走り抜け、大きな声が出てしまった。
羞恥から慌てて口に手の甲を当てて耐えるが、ダリューン様はご不満だったようで。

「ん、んん、んっ」

「こら……声を抑えるな。もっと聞かせろ」

俺だけしか聞いておらぬ。

そう続けたダリューン様は、ちゅうっと可愛らしい音をたててまた吸い付く。

まるでこうしていろ、と言わんばかりに、ダリューン様の手によって私の両腕はその逞しい首に回させられてしまった。
抑えるものがなくなってしまった私の口からは、ダリューン様から刺激を与えられる度に嫌らしい声が漏れ、止めることができない。

恥ずかしい。
だけど、止めてほしいような、止めてほしくないような。

自分でもよく分からない感覚が熱となり、ぶすぶすと燻る。

そんな私の心境を知ってか知らずか、今度は胸の柔らかい肉をかぷりと甘噛みされてしまった。

「やぁんっ」

思わずダリューン様に回した両の手で、その頭をぎゅっと抱き寄せてしまう。

あ、今。
抱き寄せたことによりその精悍なお顔は見えないけれど、ダリューン様の機嫌がよくなったのがわかった。