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【おそ松さん】貴女と愉快な六つ子たち

第7章 貴方の一番になりたい



「...いっそ、私も2,5次元になりたい」

まぁそんな事をボソリとも言っちゃうわけでして、それが運悪くたまったまイヤホン外しちゃったガチ勢のアイドルオタク様に聞かれてしまいました。

「何言ってんの!?なれる訳ないじゃん!そんなルックスで!てゆうか、そんな事を言わないで!」

はーい、今かんっぜんに私の何かしらの線がブッチンしました。もうこうなりゃひみつ道具を投下してやります。

「そうかい、チョロ三郎そんなら私にも考えがありますよ」

ごそりごそり深いモスグリーンのチェックと白を基調としたバッグからひみつ道具を取り出す。

「そ、それは!!?」

早速食いつきやがりました。
何故ならそれは、私がミスターフラッグに頼んで用意して貰ったものです。

「にゃーちゃんの初回特典アルバム!しかもプレミアもの!?待って待って!これニャーちゃんのサイン入りじゃん!」

流石はミスターフラッグ、用意してくれるものは超一流です。

「透ちゃんの頼みならいいじょー!なにかあったらいつでも頼ってきていいじょ?ハタ坊にできることならなんでもしてあげるじょー!」

ニコニコしながらそう言いきっちゃうハタ坊は、この世界でかなりのビッグな男だと思う。
色んな意味で...。

「で、どうする?チョロ三郎や?」

アルバムでほっぺたをつっぺしつっぺししてやれば、涙目でこっちを見てくる上にがっしりと掴みやがった。

「んーんー!」

「そんなにか!?トト子ちゃんの縦笛ペロる並かよ!」

いつぞやの縦笛事件、我が彼氏ながら情けない。
そしてこの表情よ。

「...そんなににゃーちゃんが好きなわけ?」

そんな顔してまで欲しいのか?
私の事じゃそんな変顔までしてくれないくせに...。

ずびっと音をだす私の鼻。
泣きそうになるのをおさえると鼻にくるタイプの私は、どこぞの可愛いヒロインみたいに可愛く泣けるわけもない。

「...じゃあ、あげるよ、こんなん」

ずるっと手に力を抜いたらカシャンとアルバムが落ちて、真っ二つになっちゃった。


「ぎゃー!!にゃーちゃんが!プレミアが!」

あぁ、もう限界だ。
バシンとおっきい音をたてて私はきったねぇ顔しながら、チョロ三郎を殴った。

「そんなにアイドルがいいならマネージャでもなんでも勝手になってゴシップにネタ提供でもしやがれ!バカシコ三郎!」
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