第5章 君に愛ある手料理を
僕はすかさずおそ松の肩をガシッと掴む。
ゴゴゴゴゴォと黒いオーラを放ちながらあつをかける。
「おいクソ長男、いいか?僕はロリコンじゃない、たまたま親切をして、それがたまたま中学生だっただけだ」
「あら、いやん。冗談なのにー?あっ、あれかそういうプレイ?なんだっけなー、きんしんそーか...どふぁっ!」
僕は言い終わる前におそ松を殴った。
後悔はない、こいつはどんな手を使っても止めないととんでもない悪影響な事を言い出す。
家の中にぶっ飛んでいく様をみながら、心に一つ決める。
「うわぁ、手だしたよ、この人」
「失せろ、お前とは兄弟の縁を切る。つーか、未成年の前でなにとんでもない事を言ってんの?やめてくんない?品性疑うわ!」
「家でシコ松してるやつに品性とわれたくないんだけど」
「くらぁぁい!長男くらぁぁあい!!!」
この長男だけは、絶対透ちゃんに近づけさせてはならないと...。
「あ、あの、お兄さん大丈夫?」
「あぁ。大丈夫だよ?これくらいじゃ死なないから」
ニコニコ2割増で透ちゃんに笑いかける。
それよりも、僕が嬉しかったのは一つだけ。
「チョコは大丈夫なんだね?ふふっ、よかった」
透ちゃんが物を食べれてるって事だ。
それが僕には嬉しくてたまらなかった。
もらったチョコを優しく握り締めて、僕は笑った。
そしたら透ちゃんも嬉しそうに僕に笑いかける。
その場所に花が咲いたように、ふんわりと優しい雰囲気が包む。
「...食べるってこんなに幸せな事だったんだ」
やんわり笑いながらぽそりとこぼすそれは、透ちゃんの今までを思うと悲しい言葉だった。
そんな当たり前な事なのに、それなのにあんまり嬉しそうに笑うから...。
「そうだよ?とっても幸せな事だよ」
ポンと頭に手をおいてよしよしと何度も撫でた。