• テキストサイズ

【おそ松さん】貴女と愉快な六つ子たち

第5章 君に愛ある手料理を



「着いたよ」

いつもの見慣れた戸口に立って、そう言った。

「凄く、古風な家だね」

微妙な褒め言葉に、チラリとその子を見つめる。
やっぱり可愛い子だ、顔が青白くさえなければだけど...。

ガララと戸口を開けて、玄関にゆっくりと座らせる。
かちこちと柱時計の音が良く聞こえる我が家。
どうやら他の兄弟達は家にはいないらしい。

「とりあえず、なにか食べ物探してくるからちょっと待ってて」

さすがに家の中までいれたら怖いだろうと、玄関で待っているようにいう。こくんと頷いたのを確かめて、僕はキッチンへと向かった。

キッチンにいけば母さんがいると思ったんだけど、残念ながら見当たらない。時計を見れば丁度夕食の材料を買いに行く時間だった。

「仕方ないな...」

もちろん僕は料理なんてできやしないし、なんて困ってゴソゴソ戸棚を漁る。たしかここら辺だったはず。

「あったあった」

おそ松と十四松がよくラーメンを食べるから、戸棚にはインスタントラーメンが備え付けられてる。

片手鍋に水をはり、ばちんとコンロに火をともす。いくらニートでもラーメンくらいなら作れる。

水が煮えるのを待ちながら、ぼんやりとするこの時間。そう言えば名前を聞いていなかったけれど、あの子なんて名前なんだろう?

そういや封を開けていなかったと、機械的にラーメンのフィルムを剥がして蓋を開ける。

そもそも未成年家に連れ込むのってどう?
いやいやあれは非常事態だったし、別にやましい気持ちなんてこれっぽっちもないし...。

かやくをいれながらそんな事を考えていると、グツグツと鍋の水が泡を出す。
そろそろかと、インスタントのカップに湯を注ぎ蓋をした。
/ 160ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp