• テキストサイズ

【おそ松さん】貴女と愉快な六つ子たち

第5章 君に愛ある手料理を



「あっ、えとごめん、でもその」

つい支えたけど相手は年頃の女の子、いっぽ間違えたら通報されかねない。無職、おまけに童貞とくれば、間違えを犯したなんて思われても不思議じゃない。

「...すみません」

僕の腕を弱々しい力で掴む。
それにしたって、本当に女の子って折れそうなほどか弱いんだななぁんて...。
いや!ロリコン趣味じゃないよ!?

「その、とりあえずなにか食べたら?」

盛大にお腹を鳴らしてたって事は、多分食べてないからだよね。そう思ったんだけど、だんまりを決め込み歩いていこうとする。

その都度ふらつくから、また僕が急いで駆け寄る。

「すみません、大丈夫です」

青白い顔してそう言うもんだから、さすがに僕もイラついた。大丈夫な人間が道端で倒れるわけもない。

そういう時はつい短気になってしまう、僕の悪い癖がでる。

「いい加減にしなよ!大丈夫な人間がふらつくわけない!」

「ほっといて、別に貴方に迷惑をかけてない」

これで僕の短気スイッチは完全にONだ。

「迷惑かけてない?道端で倒れられてたら迷惑だから!ほら!掴まって!」

今にして思えば馬鹿な事をしたもんだし、短気だな呆れてきちゃうけどほっとけなかったんだ。

「...なに」

「いいから!家、すぐ近くだから!」

「...それって」

戸惑うその子、そりゃそうだよね?
見知らぬ男に家に来いなんて言われたら怖がるのは当たり前。

ふっとそれが過ぎって一つ深呼吸。

早口になる僕の悪い癖を少しでも緩和する為に、深く深く息を吐く。

「実家だよ。何もしない、ただ君が心配なだけ」

そう言ったらその子は口を開かずにこくんと頷いた。
/ 160ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp