第2章 貴方の後ろは~おそ松~
大きな背中にそっと頭を預ける。
おそ松の.... 匂いだ....
未成年のくせにこっそりとタバコを吸ってるからかな?
タバコの匂いと、石鹸の匂いがまざってる。
大好きな、おそ松の.... におい....
「.... すきだよ」
小さな小さな声でそっと呟く
絶対に聞こえない音量
うつむく先には、アスファルトとそこに映る二人の影が長くのびる
おそ松の学ランの裾をぎゅうっと握りしめる。
「どうしたー?」
おそ松の声が耳に届く
どうしたもこうしたもない、こんなに悲しいのはおそ松のせいで
おそ松を好きになった自分のせいで
でもそんなこと言える勇気などなくて
ただ黙ってうつむくしかできなくて
「なんでもない」
精一杯強がるしか私にはできなかった。
おそ松
貴方のトレードマークの色ってこんなに切ない色だったんだね.... ?
夕焼けが綺麗すぎて....
過ぎ去るアスファルトの上に二、三粒のシミをつくった....