第1章 夕暮れどき~十四松~
「私ね、十四松にーちゃんが大好きだったよ」
にこりと精一杯笑わなきゃ
「あの時、間違えてごめんね」
十四松お兄ちゃんが自分のこと好きなってくれるなんて微塵もおもってなかったの
「いつもなら、間違えないのにね」
ずっとずっと見てきた人をみまちがえるはずなんてなかったのに....
でも
これは嘘なんだって
あぁそっかおそ松にぃがからかってるんだって思ったの
赤い服だったから
夕焼け色の赤い赤い服が招いた悲しいすれ違い
「私、十四松にーちゃんのこと好きになる資格なかったね」