第8章 どうか無いものねだりでも
柔らかい胸の中心に人差し指を置いて、すうっと下へと指を這わせていけばぶつかる白い紐。
人差し指のせいではだけたバスローブの紐をとけば、ため息を深く吐いた。
ふるりと揺れる胸、肌が指に吸い付く。
もっと触れてと言われているみたいで、愛おしい。
透の全部が見たくてグイッとバスローブを脱がしてしまえば、黒い茂みがみえた。
ぶるっと身体が震えるのは、身のうちに潜む欲がおさえきれないから。
「下着、どこやったの?もしかしなくても、期待してた?見た目もだけど淫乱になったね」
口角をあげて、指の触れる先は茂みの奥。
割れ目を優しく撫でれば、ぬるりと糸をひき指に絡みついてきた。
「グチャグチャだね。どんな気分?久しぶりに会った元彼の指はさ?他の男と比べてどう?」
うるむ瞳が、揺れる胸が、オレの脳をかき乱して思ってもない言葉をポンポンと吐き出させる。
そんな事を言いたくないのに、言ってしまう。
誰かボクの口を止めて。
「...一松くん」
名前を呼ばれ突然身体をもっていかれる。
細い腕が首に、柔らかい足が腰に絡みつく。
ぎゅうっと苦しいぐらいに胸に抱かれて、言葉を無くす。
「ねぇ、ねぇ?夢じゃないよね?ここに居るよね?一松くん」
確かめるように強くなる力。
夢ではないと震えるのは、どちらだろう?
「夢?夢ならきっとこんな攻め口吐かないでしょ」
「そうだね、こういう事する時素直じゃないの昔から変わってない」
よく覚えてるね、そんな小っ恥ずかしい事。
それが嬉しくてゆっくりと頬を撫でれば、擦り寄ってほんの少し口角をあげる透。
そうだ、この表情を見た時ボクは透を守ってあげたいと思った。
どこか冷めているようで、本当はそうじゃないこの子を...。
「ひゃあっ!一松く...」
柔らかい胸を優しくもみながら、とがった飾りを舌で弄ぶ。
とろりと蕩けるような表情と、甘い声に行為はエスカレートしていく。