第7章 貴方の一番になりたい
落ち葉が、はらはらと空を舞う。
1番多いのは貴方の色だった。
「もう、終わりにしよう」
秋風が落ち葉を攫う。
遠くできこえる楽しそうな子どもの声。
ダンボールに描かれた可愛らしい電車。
「乗せてあげる」
「本当!?」
嬉しそうに遠ざかる子ども達。
遠ざかる赤いパーカー。
手を伸ばしても掴めないそれは、まるで落ち葉のようで...。
フラッシュバックのように浮かぶ、幼い日の思い出。
「透は、特別だよ」
ニカッと笑ってそう言った。
大切な、大切な...。
ねぇ?
あの頃にはもう、戻れないんだね?
過ぎ行く時の一瞬でさえも、当たり前のように一緒にいれたあの頃には...。
もしもう1度その時を繰り返すことができたなら...。
私、もう1回生まれ変わってもかまわないよ。