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【おそ松さん】貴女と愉快な六つ子たち

第7章 貴方の一番になりたい



僕の彼女...。
どうしよう、嬉しい。

ムキになってそう言ってくれて、なんかもう胸がいっぱいなんだけど...。

指から血が出てることも忘れて、ポヤンとしてしまった。
チョロ松が入院して嬉しいだなんて不謹慎なのはわかってるんだけど、色々と嬉しいことが重なりすぎる。

今ならあのメッシュピンクの恋敵(?)の歌もルンルン気分で聴けそう。
まぁ、30分が限度だけども。

「おそ松兄さん、そろそろ帰ってくんない?」

「は?なんで?お兄ちゃんまだ梨食べてな...」

「千円やるから、出ていけ」

「やった!ラッキー!」

一連のやり取りが目の前で繰り広げられる中、ぼんやりと嬉しい余韻に浸ってると、ま後ろからドアの締まる音がした。

「ねぇ?」

ハッとして現実に戻ったら、チョロ松の顔がおもったより近くにあってびっくりする。

「え?な、んっ!ふあっ!」

チュルッとヤラシイ音がして、柔らかいチョロ松の唇が私の口を塞ぐ。

びっくりして口をあんぐりあけてたら、血の出てる方の手を引っぱられる。
そのままチョロ松の口の中にするすると飲み込まれる指、ほんの少しピリッとイタい。

口に含まれた指が離されて空気に触れれば、透明な糸に赤色がまじる。

「なに他の男に触らそうとしてるの?」

嫉妬を孕んだ目に見透かされて、背中がぞくんとした。

「私だって、私だって同じような事おもって...」

言い終わる前に無言で唇を塞ぐんだからずるい。

「それはそれで、これはこれでしょ?2.5次元と一緒にしないで」

真剣な顔して言うんだから、これまたずるい。
でもそんな彼を好きになってしまった私が悪いのだ。

心の中で深く諦めのため息をついた瞬間。

「...僕の一番は透に決まってるでしょ?」

耳元で優しく伝えられた言葉に、息が止まりそうになった。
硬直してるとまた降ってくる優しいキス...。
頬を染めて恥ずかしいそうに「もう2、5次元になりたいとか言わないでよ?」なんて困ったように笑う。

これで全部チャラにしちゃうとか、本当。
惚れた弱みってやつですかね?


ー弱み?いいえ、ただの愛ですー
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