第13章 独占欲×独占欲
っ…まただ。
時々、彼らは態度を一変させて、強引に私に迫ってくることがある。
童貞なはずなのに、まるで慣れているかのように積極的で…このままじゃ本当にめちゃくちゃにされてしまう。
でも…
「どっちかなんて…選べないわ」
「…だめだよ、ちゃん。そんな答えで、僕が納得すると思う?」
再び、抱き締める力が強くなる。
「ずっと…ずっと昔から君のことが好きなんだよ。君のことが大好きで仕方なくて、再会したら絶対僕のものにしようって思ってた」
「…トド松…」
「兄さんたちは、きっと許してくれないだろうね。独り占めは厳禁だってみんなで約束したから。…でもやっぱり僕には耐えられないよ。君の全部を奪って、僕だけのものにしたい。だからお願い、ちゃん。僕のこと、好きになってよ…」
トド松の声…震えてる?もしかして泣いてるの?
いたたまれない気持ちになる。私にはまだ彼らに伝えられるほどの想いはない。
けれど、涙を流すほどに、彼は私を想ってくれていて…その気持ちを無視できるほど、私は悪にはなれなかった。
「…トド松。あなたのことが嫌いなわけじゃない。ただ、私たちにはもう少し時間が必要だと思うの」
「……嫌いなわけじゃない…?じゃあ好きってこと?」
「えっ…そ、それは「嫌いの反対は好きだよね…?」………まぁ、そう、だけど…」
「わーいっ!やったーっ!!」Σ「きゃっ!?」
突然トド松が両手を挙げて飛び上がり、嬉しそうにくるくる回り出す。な、何事!?ってか泣いてたんじゃなかったの?!
「僕たち両思いだね♪そうだ、記念写真撮ろうよ!」「…は?」
彼はウキウキしながらスマホを取り出すと、私の肩を抱いてそれを目の前に掲げた。
「はいっ、ちゃん笑って〜☆いちたすいちは?」「…にー…?」カシャッ
「うん、ばっちりだね!可愛く撮れてるよ。これで誰がどう見ても付き合ってるようにしか見えない!ありがと、ちゃん♪満足したから僕帰るね!」「え、あの…」
ばいばーい☆と手を振って、トド松は心底幸せそうにスキップしながら帰っていった。
………アレ?
なんか勢いが凄まじくてツッコむことすらできなかったけど、
私、
とんでもないことしちゃった…!?