第12章 にゃんことわんこ
30分後。
観念した私は手早く身支度を済ませ、玄関のドアを開ける。
「はい、お待たせしました!全くもう、急にデートなんて言うからびっくりし「わーっ!可愛い!可愛いよー!」ドーンッ「うぇぶっ!?」
すると、待ちわびていたと言わんばかりに十四松くんが勢いよく抱きついてきた。く、苦しい…
「…へぇ。そういう格好するんだ」
一松くんが、まるで品定めするかのようにじっくりと私の服装を眺める。な、なんか恥ずかしいんですが!
「わ、悪い?二人よりはマシだと思う…なんでツナギなのよ」
「…動きやすいから?」「うん!チョー動きやすい!」
「だからって仮にもデートにツナギは…いやいや、そもそもなんでデート?本当にデートなの?」
「まだ疑ってるんだ…やっぱり死のうかな…」「死なないで一松兄さぁぁぁん!!」「あーはいはいごめんなさい私が悪うございました!」
あー…頭痛くなってきた。この二人がタッグを組むと非常に扱いがめんどくさいわね。
ついうっかり承諾しちゃったけど、大丈夫かしら。昨日のおそ松といい、私6つ子に甘くなりすぎ…?
「行こうよ、!君に見せたい場所があるんだ!」
「見せたい場所?」
「もし俺たちが変なところに連れていこうとしたら、バズーカで撃つなりなんなり好きにすればいいよ。…じゃ、行くか」
そう言って彼らは平然と私に背を向けた。
つまりこれは…信用してもいい、ってこと?
「…よし」
どうせなら関係を改善したいと思う気持ちは、まだ胸の内にある。
一松くんも十四松くんも、単体では強烈なキャラクターだったけど…二人で来たのには何か意味があるのかもしれない。
まずは信じて、彼らについてってみよう。