第11章 長男様には敵わない※

なんとか逃げ出そうと身を捩るも、彼にがっしりと体を固定されていて、しかも後頭部まで押さえられているために動くことが全くできない。


息苦しさから目尻に涙が滲む。突然の激しい口付けに、私は混乱するばかりでされるがままだ。


ようやく少しだけ唇が離れる。お互いに荒々しく呼吸を繰り返しながら見つめ合う。


彼はいつも笑顔だった。…けれど今は、見たこともないくらい真剣な表情をしている。


トクン、と、胸が高鳴った。


「…口開いて」


「く、ち…？」


言われるがままに少しだけ開くと、彼は再びかぶり付くようなキスをし、その僅かな隙間に舌を捩じ込んできた。


「…っ！？///」


自分の舌を絡め取られ、口内を犯される。ファーストキスを済ませたばかりの私には、こんなに深いキスは刺激が強すぎて…


「ん…ぅ…っ！///」


このままではいけないと、必死に彼の胸板を両手で押して抵抗する。しかし、力は抜けていくばかりでびくともしない。


何度も角度を変えて深く口付けられ、私の思考は次第に麻痺していく。


「は…ぁ…っ///」


「…」


一体どれだけの時間が経っただろう。ようやく唇が離れた。


唾液の糸が伝う。恥ずかしくて、彼の顔をまともに見られない。


…でも、まだ終わらなかった。


「…ひゃっ！///」


彼は私の耳に唇を寄せると、下からペロリと舐め上げる。


「……キスも、よかったけど」


「ぁ…///や、しゃべらな…」


「の可愛い声、ちゃんと聞きてぇな…」


「…！！///」


彼の指が、胸元に移動する。


危険を察知して、私は今度こそ彼を突き飛ばそうとした。


けれど


「…させねぇよ」


低い声で囁かれたのちに、彼の舌が耳を蹂躙する。形を確かめるかのように丹念に舐められて、その心地よさから完全に力が抜けてしまった。


「…や…っ…ん…///」


その間に、着ているシャツのボタンが１つずつ外されていく。やがて胸の谷間が露出されると、彼は耳を舐めるのを止めて視線を移し、ごくりと唾を飲み込んだ。


「…わ、意外とデカい…///」


「///ちょ…っや、見ないで…！」