第11章 長男様には敵わない※
「!」「ひゃっ!」
呆気に取られていると、おそ松くんがいきなり私の体を抱き締めてきた。
「ちょ、ちょっと!///」
「なぁなぁ、なんもされてない?ひょっとして事後?」「んなわけないでしょ!///」
「あ、じゃあ俺間に合ったの?よかった〜」
安心したように笑う彼は、もうすっかりいつものおそ松くんだった。
そ、それにしてもさっきの…反則じゃありませんかね…///
「…う〜///」「どーした?何唸ってんの?」「………〜っ///」
か、かっこよかった…だなんて、口が裂けても言えない!!
「な、なんで…私がここで襲われてるって分かったの?」
「ん?たまたまだけど。レーダー使ったわけじゃねぇよ」
「ふ、ふぅん…」
本音までは、言えないけど…一応これ、助けてもらったことになるのよね?
感謝の言葉はちゃんと…伝えなきゃ。
「あ、ありがとう。助けてくれて」
「おう、気にすんなって!」
………
「…いつまで抱き締めてるの?そろそろ離して、暑い」
「ん〜?やだ☆」
殴りたい、この笑顔。
「あいつらも逃げてったし、もう終わったでしょ?私ただでさえバイト帰りで疲れてるの、家に帰らせてくれない?」
「俺はまだに用事があるんだよね。悪いけど、それが終わるまで帰らせてはやれねぇなー」
「な、何よそれ…大体、なんでさっきから呼び捨てなの?」
「だめ?幼なじみなんだしー、いいじゃん。俺のこともこれからは呼び捨てでいいよ」
…この違和感は、なんだろう?
彼がここに来てから感じる、少しの違和感。不快ってわけじゃないんだけど…
体が密着しているせいで、心臓はドキドキと鳴りっぱなしだ。
何より、顔の距離が近すぎて…!
「。俺に感謝してる?」
「は…だ、だからさっきありがとうって…」
「うーん、言葉じゃなくてさ。
…お礼に俺のしたいこと、君にしてもいい?」