第10章 終わり始まり
「…はぁ。もういいよ」「ちゃん?」
なんだか馬鹿らしくなってしまい、私はトド松くんのロープをほどいて自由にする。
「単刀直入に聞くわ。…あなたたちは一体、何を企んでるの?」
「「「「「「ギクッ!」」」」」」
「正直に話しなさい。この6日間1人ずつ私に会いに来たのは、何か意味があってのことなんでしょ?」
全員が顔を見合わせる。意を決したように頷くと、彼らは横一列にびしっと整列した。
その異様さに思わず息を呑む。な、何が起こるの…?
「ちゃん!」
おそ松くんが叫んだ後、全員が一斉に頭を下げた。
「「「「「「俺(僕)たちの中の誰とでもいいから結婚してください!!!!!!」」」」」」ズバッ!
…………
私は何も聞かなかったことにし、くるりと方向転換した。
「さようなら、お元気で」「ちょちょちょちょちゃん!待って待って!!」
案の定呼び止められ、不機嫌度MAXで彼らを睨み付ける。
「結婚?いきなりなんでそうなるわけ?」
「チョロ松、説明して」「なんで俺?!」「お兄ちゃんからのお願い☆」「どっちでもいいからさっさと説明しろこの童貞ニートども」「「ハイ」」
「もう腹を括るよ……端的に言うとさ、僕らのうち誰か1人でも君と結ばれれば、僕ら全員、君と家族になれるよね?」
…ん?早くもオチが見えてきたぞ?
「誰が君をお嫁さんにしても、君は僕ら全員のものにしようって約束してさ。ねぇ、みんな?」「「「「「うんうん」」」」」
「……つまり、誰でもいいから私をなんとか口説き落として惚れさせ、さっさと嫁にして『やったぜ!これで毎日ハッピーセッ○スライフ!!きゃっほぅ!!!』…みたいな計画だったってこと?」
「「「「「「そういうこと!!!」」」」」」