第9章 松野トド松という男
くら…っ
「…え…?」
「ちゃん?」
な、なんだか、急に…眠くなってきた…?
視界が徐々に霞んでゆく。寝不足?ううん、そんなはずは…
だめだめ、こんなところで寝るわけにはいかない…
「…どうしたの?大丈夫?ふらふらしてるよ?」
「な…なんでも、ない…」
懸命に意識を奮い立たせるも、無情にも限界がやってきた。
全身の力が抜け、私の体は横に傾き…
そのままぱったりと、座席に倒れ込んでしまった。
え…なに、なんで…すごく…眠い…
意識が完全に途絶える直前。
「…くすっ。ごめんね?ちゃん。おやすみ♪」
トド松くんの…愉快そうな声が聞こえた。
***