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【おそ松さん】6人の悪魔と愛され幼なじみ

第8章 松野十四松という男





2時間後―


「ちゃん!次あれ!あれやろうよ!」


「…お、お一人でどうぞ…」「えー!楽しいよー?」


こ、この体力バカ…!屋台巡りって別に全部の店に寄らなきゃいけないわけじゃないんですけど?!2時間ぶっ続けで回ってるこっちの身にもなってください!!


しかも、ただ回るだけならまだしも…


「おじさん!はい、100円!」


「あいよ〜!兄ちゃん、射的は得意かい?」


「うん!僕ね、一回で全部の景品取ったことあるんだー!」


「一回で?おいおい、そんなことができるわけ「おじさん、離れてたほうがいいよー!」え?」


彼が鉄砲を構えたのを見て、私は数歩後ろに下がる。


そして、彼は景品のどれか…ではなく、景品が飾られている雛壇の足元に向けて玉を撃った。


パンッ!「えっ?!」


支えていた柱が見事に撃ち抜かれてバランスを崩し、雛壇が大きく傾く。


ガシャンッ!バラバラバラ「あぁぁッ!?」


景品が雪崩のように全て地面に落ちてゆく。その光景にびっくり仰天して頭を抱える店主。


「ほらね!一回でできるでしょー?」「あ、あぁ…バカな…あの玉のどこにそんな威力が…!」


…そう。十四松くんは遊技系の屋台は全て、こんな感じでめちゃくちゃにしている。


もちろん本人に悪意は全くない。普通に楽しんでるだけ。え?止めないのかって?いやいやいや無理でしょ。


この数時間、彼と付き合って分かった。


十四松くんは、人ならざる者。存在が特殊。十四松目十四松科十四松属に分類される十四松という1つの生物だ。間違いない。


昨日の一松くんといい、13年もの月日は人間の本質をも変えてしまうのね…深いわ…哲学だわ…(遠い目)


「ありがとーおじさん!また来年も来るね!」「2度と来るなぁぁ!!」


店主の泣き声ももう何回聞いたやら…まぁあの、なんていうか…お疲れ様です。


「ちゃん!いっぱい取ったよ!」「あー、うん…」「欲しい?欲しい?」


屋台での戦利品を大きなずだ袋にまとめて入れて担いでいるせいか、季節外れのサンタクロースみたいに見える…これどういう状況?


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