第6章 松野チョロ松という男
「…チョロ松くん。何しに来たの?」
「ああ、うん。もうおそ松兄さんやカラ松兄さんから全部聞いてるとは思うんだけど…自分の口からもちゃんと伝えたくてさ」
…もしかして、また謝罪と告白?
それしかない。まぁもし仮に復讐の仕返しなら、なんとかやり過ごすしかないな…。
「でも、君を見て考えが変わったよ」
「…え?」
「正直、長男と次男のバカっぷりには辟易してるんじゃないかな?それに毎日同じことの繰り返しじゃ、マンネリって感じで君も退屈でしょ。だから僕は過程を全部、すっ飛ばそうと思うんだ」
「…は?」
彼の言っている内容が全く理解できない。マンネリ?過程をすっ飛ばす?それはつまり、謝罪も告白もしないってこと?
あくまで彼は笑顔を崩そうとしない。でもそれが逆に怪しい。絶対何か企んでる。
私は彼から目を離さずに、少しずつ足を動かして後退し…
「っさらば!!」Σ「え!?」
ほんの一瞬、それこそ彼が瞬きをした隙をついて一目散に逃げ出した。
サーチマシンで追跡されていようが関係ない。それなら彼が入ってこれない場所に逃げ込んでやり過ごすのみだ!
「無駄だって言ったと思うんだけど…まぁいいや。
…穏便に済ませられないなら、仕方ないよねぇ?」ニヤリ